イエローストーン国立公園:世界遺産第1号、地球の鼓動が聞こえる場所

世界遺産を学ぶ上で、最初に覚えておくべき超重要物件がこのイエローストーンです。

なぜなら、1978年に世界遺産条約に基づいて最初に登録された12件の「世界遺産第1号」のうちの一つだからです。さらに言えば、1872年に世界で初めて国立公園に指定された場所でもあります。つまり、人類が「貴重な自然を国や世界全体で保護しよう」と考えた最初のイニシアチブが、すべてここから始まっています。

基礎データ

  • 登録年: 1978年(第1回世界遺産委員会)
  • 分類: 自然遺産
  • 登録基準: (vii) 類まれな自然美、(viii) 地球の歴史、(ix) 生態系・生物多様性、(x) 絶滅危惧種
  • 所在地: アメリカ合衆国(ワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州にまたがる)

ここが凄い3つのポイント

① 地球上の「間欠泉」の約半分がここに集中している イエローストーンの正体は、巨大な「超巨大火山(スーパーボルケーノ)」のカルデラです。地下には膨大なマグマが潜んでおり、その熱によって生み出される温泉や泥火山、そして激しく噴き出す「間欠泉(ゲイザー)」が約1万箇所もあります。 特に、ほぼ規則正しい時間(約90分間隔)で高さ40〜50メートルの熱湯を噴き上げる「オールド・フェイスフル・間欠泉」は、公園の象徴として有名です。

② 目を疑うほどの「色彩美」 写真などで一度は見たことがあるかもしれない、鮮やかな青、緑、黄、オレンジのグラデーションが美しい巨大温泉「グランド・プリズマティック・スプリング」。 この人工物のような色彩は、実は熱水の中に生息する「嗜熱性(しねつせい)のバクテリア(微生物)」によるものです。中心部の最も高温な場所はアオコなどの生物が生きられないため透明度の高い青色になり、外側に向かって温度が下がるにつれて、異なる種類のバクテリアが繁殖して黄色やオレンジに変化しています。自然美の基準である「登録基準 (vii)」を象徴する景観です。

③ 北米屈指の野生動物の楽園 イエローストーンは、手つかずの生態系が残る貴重なエリアです。アメリカバイソン、エルク(アメリカアカシカ)、グリズリー(ハイイログマ)、そして一度は絶滅しかけ、その後人間の手によって再導入され生態系の復活に大きく貢献したタイリクオオカミ(ウルフ)などが暮らしています。

3. 試験・知識のワンポイント:かつては「危機遺産」だった

世界遺産の勉強を進める上で重要になるのが「危機遺産(危機にさらされている世界遺産リスト)」の存在です。 実はイエローストーンは、観光客の増加による環境悪化や、周辺の採掘計画、外来種の魚による生態系の破壊などが原因で、1995年から2003年まで危機遺産リストに登録されていました。その後、アメリカ政府や関係者の懸命な保護・改善努力によって状況が好転し、リストから脱出したという歴史を持っています。「登録されて終わりではない」という世界遺産のリアルを学ぶのに最適な事例です。

まとめ

イエローストーンは、「地球の地学的な歴史(火山活動)」「圧倒的な自然の美しさ」「豊かな生態系」、そして「世界初の国立公園・世界遺産」という歴史的価値のすべてが詰まった、まさに自然遺産の教科書のような場所です。

まずは「世界遺産第1号の火山地帯」として、その名前と特徴をインプットしておきましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次