リオ・デ・ジャネイロ:山と海が織りなす大都会のアート、情熱の街カリオカの文化的景観

世界遺産の「文化的景観(カルチュラル・ランドスケープ)」を学ぶ際、これまでは農園や庭園、聖なる山などが中心でした。しかし、このリオ・デ・ジャネイロは「大都市の景観そのものが自然と融合した文化的景観」として世界で初めて認められた、歴史的な快挙を成し遂げた遺産です。

大西洋に面した美しい湾、急峻な花崗岩の山々、そしてその狭間に広がる街並み。自然の圧倒的な造形美と、現地の人々(カリオカ)が育んだ独特の都市文化が完全なハーモニーを奏でています。

基礎データ

  • 登録年: 2012年(第36回世界遺産委員会)
  • 分類: 文化遺産(文化的景観)
  • 登録基準: (v) 人類の環境利用の見本、(vi) 精神的・文化・芸術的伝統との関連
  • 所在地: ブラジル連邦共和国(リオ・デ・ジャネイロ州)

ここが凄い3つのポイント

① 奇岩と海が織りなす「自然と都市のドラマチックな地形」 リオの景観を唯一無二にしているのが、極端な高低差を持つ自然地形です。 グアナバラ湾の入り口に屹立する巨大な花崗岩の岩山「ポン・ジ・アスーカル(シュガーローフ・マウンテン)」や、街を見下ろす標高710メートルの「コルコバードの丘」など、熱帯の急峻な山々が海岸線ギリギリまで迫っています。この過酷かつ美しい自然条件のなかで、居住区やインフラがモザイク状に配置され、奇跡的な都市景観が形成されました。

② コルコバードの「巨大キリスト像」と街のシンボル コルコバードの丘の頂から、両腕を大きく広げて街と海を見守る「コルコバードのキリスト像(クリスト・ヘデンタール)」は、リオの絶対的なシンボルです。 ブラジル独立100周年の記念として20世紀前半に建てられたこのアール・デコ調の巨大像(高さ約30メートル)は、ランドマークとして自然景観と都市美を一つに結びつけています。

③ 詩人や音楽家を魅了したビーチと「カリオカのライフスタイル」 文化的景観(登録基準v, vi)として高く評価された最大の要素が、リオの住民「カリオカ」たちの生活文化です。 世界的名曲『イパネマの娘』の舞台となったイパネマ・ビーチや、半月状の美しい海岸線を持つコパカバーナ・ビーチ、そして世界最大の都市型熱帯雨林であるティジュカ国立公園など、豊かな自然空間が人々のレジャー、サンバ、ボサノヴァ、カーニバルといった独特のカルチャーを生み出す舞台となってきました。

試験・知識のワンポイント:造園家ロバート・バーレ・マルクスのモザイク美

建築や都市計画の文脈で絶対に押さえておきたいのが、20世紀ブラジルを代表する景観デザイナー、ロバート・バーレ・マルクスの存在です。 彼が手がけたコパカバーナ海岸のプロムナード(遊歩道)の白と黒の波模様の波状波のモザイク舗装(カルサダ・ポルトゲーザ)は、リオの海と都市を繋ぐ最高峰のモダン・デザインとして広く知られています。熱帯植物を大胆に使った公園計画など、彼のモダニズムデザインが自然景観に見事なアクセントを加えています。

まとめ

リオ・デ・ジャネイロ:山と海に囲まれたカリオカの景観は、「ポン・ジ・アスーカルやコルコバードの丘が描く圧巻の地形美」「自然の狭間で育まれたサンバやボサノヴァなどのカリオカ文化」、そして「都市空間として初めて認められた最高峰の文化的景観」です。

これまで学んできた「自然と人間の共生」というテーマが、大都市のスケールで結実した素晴らしい見本としてインプットしておきましょう!

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